ハイブリッド車の生産に不可欠な希土類では、双日がオーストラリアの資源大手と、来年から10年間の供給を受けることで合意した。双日は日本の年間需要量の3割に相当する年9千トン以上を調達する計画だ。
住友商事や三菱商事も中国以外の調達先を開拓している。中国の希土類輸出は再開しつつあるが、来年以降の輸出枠が一段と削減される可能性は高い。8割を超す中国からの輸入依存度を減らすとともに、鉱石からの抽出技術の向上などで調達コストを抑える努力が必要だ。
安定供給に問題のある資源は、尖閣諸島沖の衝突事件を機に注目が集まった希土類だけではない。自動車生産に欠かせない超硬工具に使うタングステンも主な産出国の中国が輸出を減らし、国際価格は年初に比べ5割上昇した。家電や自動車部品の合成樹脂を燃えにくくするアンチモニーは2倍に値上がりしている。
政府は希土類などの天然資源を確保するため、今年度の補正予算案に872億円を盛り込んだ。政府は希土類にとどまらず、日本の産業に欠かせず、供給不安の大きい資源に幅広く目を向けて、資源を確保する対策を打ち出してもらいたい。
電気自動車などの成長分野に使う原料は世界で需要が増える。天然資源からの供給だけでは限界があるので、代替材料の開発も急務だ。
強力磁石の原料では希土類ジスプロシウムの代わりに銅系合金を使ったり、液晶ガラス研磨剤でセリウムより入手しやすいジルコニウムを利用したりする技術開発が進む。
日本が得意なナノテクノロジー(超微細技術)を駆使して開発で先行すれば、その技術を海外企業に売り込むこともできる。貴金属や非鉄金属などに比べ遅れている希少金属の再利用の普及も重要だ。
緊急性の高い代替材料の開発や再利用は、環境省、経済産業省、文部科学省がばらばらではなく、民間とも一体となって取り組むべきだ。